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【2025年度最新】エネルギーミックスとは?国内外の動向を解説
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電気料金の高騰や脱炭素への要請を背景に、電力市場は大きな転換期を迎えています。
企業はただ電気を「消費するだけ」で良いのでしょうか?
発電量が天候に左右されやすい再生可能エネルギーの導入拡大は、電力の安定供給維持という新たな課題を生み出しました。この課題を解決する仕組みが、今回ご紹介するアグリゲーションビジネスです。このアグリゲーションビジネスは、電力ユーザーの一般企業も経済的なメリット(電気代の削減や新たな収益機会)を得られる可能性を秘めています。
アグリゲーション(Aggregation)とは、英語で「集めること」や「束ねること」を意味する言葉です。電力分野におけるアグリゲーションとは、電力を束ね、効率的かつ安定的に電力の需給バランスを取ったり、供給力/調整力として市場等に供給したりすること。そうすることで企業に収益をもたらす新たなビジネス(アグリゲーションビジネス)を生み出しています。
太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは、天候によって発電量が不安定になりがちです。この不安定さを解消し、電力市場で安定的に取引できるようにするため、アグリゲーターが複数の発電リソースを束ねて管理します。
再エネの普及を支える制度には、FIT制度(固定価格買取制度)と、近年導入されたFIP制度(フィードインプレミアム制度)があります。
これまでのFIT制度では、発電事業への参入を促すために、複雑な発電計画の策定や、発電計画と実際の発電量(実績)の差分に責任を負うインバランスリスクなどが免除されていました。
対して、再エネの自立化(市場統合)を目指すFIP制度においては、発電事業者自身がこの管理責任を負います。計画と実績に差(インバランス)が生じるとコストが発生してしまうため、多くのFIP発電事業者はアグリゲーターが束ねる「バランシンググループ(BG)」に加入し、高度な予測技術を持つアグリゲーターに運用を委託することで対応しています。
再エネアグリゲーターは、この複雑な発電計画の策定などを代行し、再エネ電源をJEPX(日本卸電力取引所)などの電力市場で取引する上で必要な実務をサポートする専門的な役割を担います。
参考:経済産業省 資源エネルギー庁|電力の需給バランスを調整する司令塔「アグリゲーター」とは?
VPP(Virtual Power Plant:仮想発電所)とは、工場やビルの自家発電設備や蓄電池(DER:分散型エネルギーリソース)といった地域の電源を、IT技術で束ねて遠隔で制御し、あたかも一つの大きな発電所のように機能させる仕組みです。
この仕組みを支える要素の一つとして、電力の需要を上げ下げする具体的なオペレーションが、デマンドレスポンス(DR)です。
分散しているリソースを束ねて電力の需給バランスの調整や安定化に活用するビジネスがDERアグリゲーションです。参加事業者は、保有する設備を活用してDRに参加することで、電力不足時の供給力創出や余剰電力の吸収に貢献し、各種市場や電力会社等から報酬を得ることができます。
この報酬は、DRで貢献した分の対価としてアグリゲーター経由で受け取ります(アグリゲーターが市場での収支を取りまとめ、参加者へ分配)。
このように、企業が自社の持つDERを活用してDRに参加し報酬を得る仕組みをDERの活用、エネルギーアグリゲーションビジネス(ERAB)と呼んでいます。
【企業の主なDERリソースと活用例】
電力ひっ迫時の要請に応じて、自家発電機を稼働させることで電力会社からの受電量を減らします。
電力需要が高い時間帯に放電し、低い時間帯に充電することで、電力の需給バランス調整に貢献します。
停車中のEVを電源リソースとみなし、充放電を制御することで電力の需給バランス調整に貢献します。
企業は、これらのリソースを活用し、アグリゲーターを通じてVPPに参加することで、
電力市場から報酬を得ることができます。
企業がDRに参加し、収益を得るまでの流れは以下の通りです。
アグリゲーターが窓口となり、複雑な電力市場への参入を代行します。
アグリゲーターからの
要請に対応できるよう待機する(容量市場等)
電力システムからの
要請への貢献
(調整力を提供)
報酬の獲得
※参加のためには、電力市場への登録や、電力の供出容量を確かめる実効性テストが必要です。
参考:経済産業省 資源エネルギー庁|VPP・DRの活用新たな投資をすることなく、今ある設備を有効活用して報酬を得られます。これは、電力の安定供給という社会的なニーズに貢献した対価です。
電力の需給調整に協力することは、再エネ主力電源化と電力の安定供給の両立に貢献します。これは、脱炭素社会の実現に向けた取り組みと一致し、環境意識の高い企業としてのブランドイメージ向上にも繋がります。
DRへの参加は、社内で電力利用状況を意識するきっかけとなり、社内の省エネ・節電意識の浸透に繋がります。また、エネルギー利用状況の可視化は、省エネ法などの各種規制対応への基盤づくりにも役立ちます。
Q1. VPPとDR、アグリゲーションの違いは何ですか?
A: アグリゲーションとは電力を束ね、効率的かつ安定的に電力の需給バランスを取ることです。その中で、DR(デマンドレスポンス)は、電力の需給バランスに合わせて、個々の需要を上げ下げする具体的なオペレーションです。そして、VPP(仮想発電所)は、このDRを含む分散型エネルギーリソース(DER)をIT技術で集約し、大きな供給力や調整力を生み出すシステム全体のことを指します。
Q2. 【収益性】DRに参加することで、どのように収益が発生しますか?
A: 収益は、参加する市場の種類(容量市場、需給調整市場など)、提供できる電力の容量、そして市場の取引価格によって変動します。容量市場では、将来の供給力を確保するという「約束」に対して対価が得られます。需給調整市場は、電源脱落時の緊急対応や、需要・再エネ発電の予測誤差、時間内変動などに対応するための調整力を提供することで対価を得る仕組みです。電力系統の安定運用に貢献しながら、既存設備を活用して収益を得られる点が特徴です。
Q3. 【リスク】DRの要請に応じられない場合、ペナルティはありますか?
A: 契約しているアグリゲーターとの間で定められた容量を履行できなかった場合、市場ルールに基づきペナルティ(精算金)が発生する可能性があります。しかし、信頼できるアグリゲーターは、企業の操業に支障が出ないよう、事前に設備の稼働可能量を把握し、運用を最適化するためのご提案やフォローアップを行うため、リスクを最小限に抑えることが可能です。
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