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24/7 CFEとは?再エネ100%の次に求められる「電力の質」
現在、大手企業を中心に脱炭素化は企業経営の重要課題となり、特に製造業や大規模小売業ではScope2(購入電力由来排出)の削減が重要な取り組みの一つになっています。 多くの企業は非化石証書などを活用し「再エネ100%」を達 […]
昨今、相次ぐ電気代の高騰に頭を悩ませている企業の方も多いのではないでしょうか。そうした中、ニュースで連日報じられる中東情勢の悪化、それに関連したホルムズ海峡の状況など、エネルギーを巡る外部環境の変化は、私たちの生活はもちろん企業活動にさらなる影響を与えています。
2026年6月、経済産業省の下に「再生可能エネルギー主力電源化小委員会」が改組・設置されました。この委員会では、これまでの「脱炭素」という目的に加え、「エネルギー安全保障・安定供給」の観点からも再生可能エネルギー(以下、再エネ)の主力電源化が強く打ち出されており、議論が改めて本格化しています。
高市早苗首相も6月26日の中東情勢に関する関係閣僚会議にて、中東危機を踏まえ、エネルギーの安定供給に向けた体制を整えるべく「エネルギー需給構造強靱(きょうじん)化のための総合パッケージ」を策定するよう指示。エネルギー需給に関する新たな計画を策定すると表明しました。
本記事では、政府が再エネを「量的拡大」のフェーズから、社会を支える「自立したインフラ」として定着させようとしている背景を解説します。また、企業が経営戦略(特にBCP対策)として再エネを導入するメリットについても詳しくひもといていきます。
参考:資源エネルギー庁|再生可能エネルギー主力電源化小委員会の設置について
資源エネルギー庁|再エネ主力電源化に向けた今後の再生可能エネルギー政策について
日本経済新聞|高市首相、エネ需要の新計画を表明 原発・再エネ活用の推進を軸に
議論の前提となる「エネルギー安全保障」という言葉について整理しておきましょう。
エネルギー安全保障とは、国民の生活や企業の経済活動に必要なエネルギー(電気やガスなど)を、「適正な価格」で「安定的」に確保し続けることを指します。詳しくは後述しますが、エネルギー自給率が極めて低い日本は、エネルギーの安定供給リスクと常に隣り合わせです。化石燃料を海外からの輸入に依存しているため、国際情勢の悪化によって「物理的に燃料が届かなくなるリスク(供給途絶)」と、「燃料価格や為替の変動によって電気代が高騰するリスク(価格高騰)」という2つの危機に常にさらされています。つまりエネルギー安全保障とは、海外での紛争、自然災害、あるいは市場の価格高騰といった「もしもの事態(外部ショック)」が起きた際でも、国内の経済やインフラを止めないための「国を挙げたリスクマネジメント」と言い換えることができます。
参考:資源エネルギー庁|再エネ主力電源化に向けた今後の再生可能エネルギー政策について
なぜ今、エネルギー安全保障が注目され、国を挙げて再エネ政策が見直されているのでしょうか。その背景には、日本特有の脆弱なエネルギー構造があります。
エネルギー自給率とは、私たちの生活や企業の経済活動に欠かせない電気・ガス・ガソリンなどの「燃料(一次エネルギー)」を、自国でどのくらい賄えているかを示す割合。日本の2024年度のエネルギー自給率はわずか16.3%にとどまっており、これはサプライチェーン等で競合する世界の主要国と比べて特に低い数字です。例えば、アメリカは111.0%と完全な自給(エネルギー純輸出国)を達成しており、イギリス(61.1%)やフランス(59.9%)といった欧州諸国も6割前後の自給率を保っています。
さらに注目すべきはアジアの近隣諸国です。経済成長を牽引する中国は80%以上、インドも世界有数のエネルギー消費国にもかかわらず、2022年時点で約62%と高い自給率を維持しています。また、日本と同じように資源が乏しいとされる韓国でさえ22.7%を確保しており、日本の「16.3%」という数字は、日本のエネルギー基盤が世界的に見ても突出して脆弱(外部ショックの影響を受けやすい状態)であることを意味しています。

自国に利用可能な資源が乏しいため、日本はエネルギー供給の大半を化石燃料の輸入に頼っています。特に原油輸入の中東依存度は2025年時点で94.0%に達しており、特定の地域への依存が極めて高い状態です。さらに化石燃料の輸入により、年間約24兆円もの国富が海外へ流出しているという厳しい現実があります。

中東情勢をはじめとする地政学的な緊張の高まりは、ここまでお伝えしたことからもわかるとおり日本の燃料調達に深刻な影響を及ぼします。一次エネルギーのうち「電力」に絞って見ても、日本は約7割を化石燃料由来の発電方法に頼っており、化石燃料の供給が滞る、あるいは世界的に争奪戦が激化して燃料価格が高騰すれば、日本の卸電力市場の価格も上昇します。結果として、私たちが支払う電気代にダイレクトに影響を与えるリスクを内包しているのです。さらに電気代への影響にとどまらず、中東依存度が極めて高い原油価格の高騰は、物流を支えるガソリン・軽油、製造ラインで使われる重油などの価格にも直結します。
参考:資源エネルギー庁|再エネ主力電源化に向けた今後の再生可能エネルギー政策について
三菱総合研究所|エネルギー安全保障の観点から見た再エネの導入意義
科学技術振興機構|中国のエネルギー自給率、24年も80%以上を維持
IRENA|ENERGY PROFILE India

これまで、再エネは主に「CO2を減らすためのもの(環境対策)」という側面が強調されてきました。しかし政府は現在、国際情勢の悪化等外部ショックの影響を国内で緩和し、エネルギーの安定供給に貢献する「危機管理投資(国産の安全保障インフラ)」として再エネの重要性を改めて強調しています。
再エネは、エネルギー安全保障・安定供給という観点で以下の3つの「防衛機能」を提供します。
このように、再エネは国の経済と生活を守る強靭なインフラになり得るからこそ、政府は国策として再エネの主力電源化を強力に推し進めているのです。
参考:三菱総合研究所|エネルギー安全保障の観点から見た再エネの導入意義
エネルギー安全保障の強化は、日本だけの課題ではありません。世界各国でも同様の動きが加速しています。
過去の石油危機や近年のロシア危機を教訓に、EUはロシア産化石燃料からの完全脱却を目指す計画「REPowerEU」を策定しました。エネルギーの海外依存を最大の弱点と捉え、自国産のクリーン電力(再エネ)への移行を「安全保障の最重要課題」として一層加速させています。
アジアでも、再エネは脱炭素対応にとどまらず、輸入燃料依存を下げるためのエネルギー安全保障策として重要性を増しています。特にホルムズ海峡は、原油・LNGの重要な輸送ルートであり、同海峡を通過する石油・LNGの多くはアジア向けです。中東情勢の不安定化は、日本だけでなく、台湾・韓国・東南アジアなど、エネルギーを海外に依存する製造業国家にとって共通のリスクとなっています。
こうした中、各国は国内で調達可能な電源を増やす動きを進めています。台湾はエネルギー自立度の向上を掲げ、太陽光や洋上風力の導入を拡大。韓国も、エネルギー輸入依存の高さを踏まえ、原子力や再エネなどを組み合わせた電源構成の強化を進めています。東南アジアでは、電力需要の増加と輸入燃料リスクが同時に高まる中、再エネや電力市場制度の整備が進みつつあります。ベトナムでは2024年に、日本のコーポレートPPAに類似したDPPA制度が導入され、大口の電力ユーザーが再エネ電力を直接調達できる仕組みが整えられました。これは外資誘致だけでなく、民間資金を活用して国内電源を増やし、輸入燃料に左右されにくい産業基盤をつくる動きといえます。
参考:三菱総合研究所|エネルギー安全保障の観点から見た再エネの導入意義
IEA|Strait of Hormuz
台湾 行政院|Accelerating the promotion of renewable energy
IEA|Korea 2025
JETRO(日本貿易振興機構)|市場概況と規制、および日本企業向け市場参入のポイント

ここまでは、世界や国における「エネルギー安全保障」というマクロな視点を見てきました。しかし、再エネの導入は国レベルの話にとどまらず、個々の企業にとっても「脱炭素」以外の多くのメリットをもたらします。企業に降りかかりうるリスクと、外部環境の変化に強い経営基盤を作る(=自社にとっての安全保障)具体的なメリットを解説します。
地政学的な緊張の高まりによる「燃料費高騰」に加え、国内では2028年度から「化石燃料賦課金」の導入が予定されています。これはカーボンプライシングのひとつで、化石燃料の輸入事業者等に対し、輸入した化石燃料由来のCO2の量に応じて課される負担金です。しかし、そのコストは販売価格に転嫁され、最終的には電気代やガソリン代の値上がりという形で、消費者が実質的に負担することになると見られています。このように、化石燃料由来の電力コストにはさらなる上昇のリスクや制度変更が控えています。 燃料費の影響を受けない再エネを、固定価格で長期間調達できる「コーポレートPPA」の活用は、将来の電力コストの見通しを立てやすくする強力な選択肢となります。
カーボンプライシングについて詳しくは下記の記事をご覧ください。
>カーボンプライシングとは?炭素税などの種類やメリット・日本の導入状況と今後の展望について
台風や地震などによる数時間から1日程度の一時的な停電とは異なり、国際情勢の悪化(例えばホルムズ海峡の長期封鎖など)によって化石燃料の調達が数ヶ月単位で滞った場合、国内の火力発電は機能不全に陥ります。結果として、国レベルでの「電力供給の途絶」や「大規模な電力使用制限令」といった、中長期にわたる深刻な供給危機に発展するリスクがあります。電気が一定期間供給されなくなれば、工場の操業停止にとどまらず、オフィスのビル機能の停止、データセンターのダウンによる社内システムの寸断、物流網の麻痺など、製造業・非製造業を問わずあらゆる企業が文字通り「事業停止」の危機に直面する可能性があります。
このような国家規模のエネルギー危機において、対策として有効なのが、自治体や企業による「再エネの主体的な確保」です。コーポレートPPAなどを通じて発電事業者から再エネを直接調達することは、中長期的な化石燃料の供給リスクや市場の混乱から自社を切り離すためのヘッジとなります。さらに、物理的な電力網のダウンや電力使用制限令といった最悪の事態に備える上で有効なのが、需要地に併設するタイプの再エネ設備(オンサイトPPA等)や蓄電池です。電力供給が絶たれた環境下でも、「自社の屋根で電気を生み出し、自社で蓄えて使う」ことができる体制は、他社が操業停止に追い込まれる中でも自社の基幹機能や重要事業を維持し続けるための、BCP(レジリエンス強化)として機能します。
バリューチェーン・サプライチェーン全体で高まる脱炭素化要請に応えられるだけでなく、こうした危機管理(BCP)への積極的な取り組みは、取引先や投資家からの信頼向上につながります。
参考:三菱総合研究所|エネルギー安全保障の観点から見た再エネの導入意義
資源エネルギー庁|再エネ主力電源化に向けた今後の再生可能エネルギー政策について
資源エネルギー庁|GX実現に向けた基本方針
記事冒頭で触れた経済産業省の「再生可能エネルギー主力電源化小委員会」で議論されているのは、単に再エネの「量」を増やすための策ではなく、社会を支える基幹インフラとして再エネを自立させるための「シビアなルール作り」です。具体的には、地政学リスクに対応できる安定供給体制を目指しつつ、地域社会との共生、国民の金銭的負担をどう抑えるか、そして発電事業者が自立して電力を市場へ供給するにはどうすべきか、といった現実的な課題解決に向けた方針が議論されています。
現在進行形で委員会にて議論されている主な3つのテーマを簡単にご紹介します。
参考:資源エネルギー庁|再エネ主力電源化に向けた今後の再生可能エネルギー政策について
実は、日本が化石燃料への依存解消を目指すのは今回が初めてではありません。1973年の第一次石油ショック時、日本の化石燃料依存度は94.0%でした。その後、様々な対策が打たれたものの、東日本大震災前の2010年度で81.2%、直近の2022年度でも83.5%と、抜本的な脱却には至っていません。

政府は2025年2月に閣議決定した「第7次エネルギー基本計画」の中で、24年度に16.3%だったエネルギー自給率を2040年度には3~4割へと引き上げる見通しを示しています。そして今回の地政学的な緊張の高まりを受け、26年6月に従来の「再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会」を「再生可能エネルギー主力電源化小委員会」へと改組しました。委員会の設置の際には、再エネをこれまでの「量的拡大」のフェーズから、社会を支える「自立したインフラ」として定着させる方針へと転換し、言葉の通り日本の「主力電源」として確立させていく姿勢が明示されました。これは、過去の延長線上ではなく、エネルギー構造の転換を今まで以上に強く推し進めるという国からの強いメッセージと言えます。
参考:三菱総合研究所|エネルギー安全保障の観点から見た再エネの導入意義
資源エネルギー庁|再生可能エネルギー主力電源化小委員会の設置について
再エネは「脱炭素」だけでなく、「エネルギー安全保障」の観点でも有用な電源であり、その重要性はかつてなく高まっています。さらに、26年度から本格稼働したGX-ETS(排出量取引制度)や28年度からの化石燃料賦課金等、CO2排出量に価格が課されるカーボンプライシングの本格化により、今後、化石燃料に依存した電力は段階的にコストが上昇していくことが避けられません。地政学リスク等の不確実性に加え、こうしたコスト増が迫る今、BCPやコスト防衛の観点から自立的なエネルギー調達(コーポレートPPAや自己託送など)に踏み出すことは、企業経営において検討の優先度が高まっています。環境対策という枠を超え、自社の事業と従業員を守るためのインフラとして、再エネの導入を再検討してみてはいかがでしょうか。
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本記事の作成にあたっては生成AIを支援ツールとして活用し、出力された原案をもとに、エナリスジャーナル編集部が責任をもって編集・加筆を行い制作しています。
現在、大手企業を中心に脱炭素化は企業経営の重要課題となり、特に製造業や大規模小売業ではScope2(購入電力由来排出)の削減が重要な取り組みの一つになっています。 多くの企業は非化石証書などを活用し「再エネ100%」を達 […]
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