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企業の電気代削減を成功させる方法|電気代の内訳や具体的な削減方法を解説
電力の全面自由化以降、日本の電気代の構造は複雑化しました。その後も制度変更や国際情勢の移ろいなど、企業側でコントロールできない要因が重なり、場当たり的な節電対策だけでは、対応しきれない状況になっています。 本記事では、企 […]
現在、大手企業を中心に脱炭素化は企業経営の重要課題となり、特に製造業や大規模小売業ではScope2(購入電力由来排出)の削減が重要な取り組みの一つになっています。
多くの企業は非化石証書などを活用し「再エネ100%」を達成してきましたが、近年はさらに踏み込んだ問いが国際社会などから投げかけられています。
「その再エネは本当に脱炭素に貢献しているのか?」
「年間で帳尻を合わせるだけで十分なのか?」
再エネ導入の評価軸は、調達の結果のみを重視する“量”から調達プロセスも含んだ“質”へと移りつつあります。その象徴として注目されているのが「24/7 CFE(24時間365日のカーボンフリー電力)」です。
本記事では、この概念の意味と、この潮流に日本企業が今から備えるべきポイントを解説します。
24/7 CFEは、再エネ100%をゴールと考えていた企業が、次に見据えるべき「再エネ電力調達の高度化」を象徴する概念です。これまでの調達が「1年間という長いスパンでの帳尻合わせ」だったのに対し、24/7 CFEは「実際に電力を使うその時間・その場所」の脱炭素化にこだわります。
この考え方は、カーボンフリー電力の時間的・地理的整合(電気をつくった時間・場所と、電気を使った時間・場所を一致させる)を目指す概念として、国連の「エネルギーコンパクト」や民間主導の国際イニシアチブにおいて提唱されています。
ここではまず、24/7 CFEの基本的な定義と、この考え方が登場した背景を整理します。
参照:国際連合|24/7 Carbon-free Energy Compact
Climate Group|24/7 CARBON FREE COALITION
24/7 CFE(Twenty-Four Seven Carbon-Free Energy)とは、「企業が使用する電力を、24時間365日、常に(毎時間)二酸化炭素を排出しない電源(脱炭素電源)で賄うことを目指す考え方」です。
従来の一般的な再エネ調達と24/7 CFEのもっとも大きな違いは、「時間軸」の捉え方にあります。
| 項目 | 従来の一般的な再エネ調達(年次マッチング) | 24/7 CFE(アワリーマッチング) |
|---|---|---|
| 評価の単位 | 1年間(総量での相殺) | 1時間ごと(またはそれ以内での相殺) |
| 実態 | 夜間に火力発電を使っていても、昼間の太陽光による証書で相殺すれば「再エネ100%」とみなす | 夜間に使う電力は、同じ時間に発電された脱炭素電源から確保する |

つまり、「年間総量での一致」で満足するのではなく、一瞬一瞬の実態として脱炭素化しようという、より精緻な考え方です。
この概念を推進している業種の一つに、GoogleやMicrosoftといった、膨大な電力を24時間休まず消費するデータセンターを抱えるグローバルIT企業が挙げられます。
彼らは、年間ベースでの再エネ100%はすでに達成していますが、「自分たちが夜間に電力を使っているとき、地域の電力網(グリッド)では依然として火力発電所への依存が続いている」という実態に着目しました。証書を買うだけでは、地域の電力網全体の脱炭素化を加速させるには限界があると考えたのです。
2021年には国連(UN-Energy)やGoogleなどが中心となり、「24/7 Carbon-Free Energy Compact(24/7 CFE Compact)」という国際的な枠組みが立ち上がりました。現在では、多くのエネルギー企業や政府機関、NGOがこのコンパクトに参加し、時間単位での脱炭素電力調達に関するルール整備や実証が進められています。
なお、エナリスも24/7 CFE Compactに加盟し、脱炭素社会の実現に貢献するより高度なソリューションの開発に取り組んでいます。
参照:Google|24/7 by 2030: Realizing a Carbon-free Future
24/7 CFEを具体的に実現するためには、次の2つの「整合性」を確保することが重要視されています。
この「時間」と「場所」を揃えるという考え方は、電力の需給バランスを維持しなければならない電力システムの物理的な実態に即したものといえます。
参照:EnergyTag|Accelerating clean power every hour, everywhere
この概念の最終的な目的は、単に企業の評価を高めることではありません。企業側が「夜間や雨天時でも使える脱炭素電力が欲しい」と強く要求することで、電力市場にメッセージを送ることにあります。
電力ユーザーが24/7 CFEを重視することで、以下のような動きが加速すると期待されています。
つまり、24/7 CFEは、企業の調達行動を「エンジン」にして、電力システム全体の脱炭素化を推進する概念なのです。
ここで誤解を避けるために強調しておきたいのは、日本の「非化石証書」の仕組みが否定されているわけではないということです。非化石証書は、Scope2を削減するための非常に有効な手段であり、省エネ法や温対法といった国内制度でも正式に認められています。
しかし、脱炭素を「経営の競争力」として捉えるグローバルな視点からは、いくつかの課題が指摘されるようになっています。
最近の脱炭素トレンドで最も頻繁に議論される言葉の一つが「追加性」です。これは、「その企業が電力を購入したり証書を買ったりしたことで、社会に新しい再エネ発電所が増えたといえるか?」という考え方です。
既存の(すでに稼働している)発電所から発行された証書を買うだけでは、地球全体の再エネ容量を増やすことには直接繋がりません。24/7 CFEを目指す場合、24時間のギャップを埋めるために「新しい」再エネ発電設備等への投資が促されやすいため、追加性のある取り組みになりやすいのです。
年間でのオフセットモデルでは、データ上の計算は合っていても、現実には化石燃料由来の電気が流れている時間が存在します。欧米を中心に「グリーンウォッシュ(見せかけの環境対策)」への批判や問題意識が高まる中で、電力の調達に関しても質が問われやすくなっています。
例えば、太陽光発電の余剰が出やすいエリア(現在の九州など)で、昼間の証書をさらに大量に購入しても、電力システム全体の脱炭素化には寄与しにくいといえます。それよりも「再エネの足りない時間帯(夜間など)の電気をどうクリーンにするか」に取り組む企業の方が、実効性の面で高く評価されるようになってきています。
参考:九州電力送配電株式会社|2025年度出力制御見通しについて
CDPなどの国際的なESG評価機関は、毎年のように設問をアップデートし、開示情報の粒度を高めています。数年前までは「再エネ率100%」という結果そのものが重視される傾向にありましたが、今後は「どの電源から、どの時間帯に、どうやって調達したか」という詳細なプロセスが問われるようになります。
また、Appleや一部の大手自動車メーカーのように、サプライヤーに対して高い脱炭素基準を求めるグローバル企業が増えています。「証書でオフセットすればOK」という段階から、「実態としてCO2を出さない生産プロセス」を求められる時代への移行は、私たちの想像以上に速いスピードで進んでいます。
現時点で、日本で24/7 CFEへの具体的な取り組みを開始できている企業はまだ一部にとどまります。しかし、今から準備を始めることには明確な経営上のメリットがあります。
環境規制や評価基準に大きく影響を与えるものの一つに、企業の排出量算定の世界標準である「GHGプロトコル」の改定があります。現在、Scope2(購入電力からの排出)のガイダンス見直しが進められており、「年間単位の証書による相殺」から「アワリーマッチングによる厳密な評価」へとルールが厳格化される可能性が浮上しています。
例えば、海外の取引先から「貴社の工場におけるアワリーマッチング率を開示してください」という調査票が届く日は、そう遠くないかもしれません。その時に「そんなデータは取っていません」と答えるのと、「現在は30%ですが、2030年までに蓄電池とPPAを組み合わせて80%まで高めるロードマップがあります」と答えるのとでは、ビジネスパートナーとしての信頼性に大きな差が生まれるでしょう。
GHGプロトコルの改定については下記の記事をご覧ください。
>【2026年最新動向】GHGプロトコル改定でScope2はどう変わる?
かつて脱炭素は、法令遵守のための「コスト(守り)」でした。しかし、現在は企業価値やブランド力を高めるための「投資(攻め)」という側面も強まっています。
特に24/7 CFEへの挑戦は、企業の脱炭素に関する意欲や知見、運用力の証明にもなります。自社の電力需要を精緻に把握し、最先端の調達手法に取り組む姿勢は、投資家から見て「変化に強い、イノベーティブな企業」と評価される可能性があります。24/7 CFEは、もはや単なる環境活動ではなく、21世紀の企業の競争力を左右する指標の一つになりつつあるのです。
24/7 CFEを日本で実行に移すには、欧米とは異なる電力システムや制度上の課題もあります。主な論点を整理します。
24/7 CFEの実現には、時間帯ごとの電力需給を把握し、脱炭素電力を必要な場所に届けるための送電インフラや制度設計が重要になります。日本では、島国であることや国内の系統構造、証書制度の運用面などから、特に以下の3点が実務上のハードルになります。

日本は、欧州のように国境を越えて電力を融通し合うことが難しい、独立性の高い電力系統です。国内でも、東西の周波数の違い(50Hz/60Hz)や、地域間を結ぶ送電線の容量には制約があります。
加えて、再エネの導入余地が大きい北海道や九州などの地域と、電力需要が集中する関東・関西などの都市圏は離れています。再エネのポテンシャルがある地域で発電しても、系統制約により需要地まで届けられないケースがあります。
日本の再エネは太陽光発電の比率が高く、昼間に発電量が増えやすいという特徴があります。需要や送電網の受け入れ能力を上回る時間帯には、発電を一時的に抑える「出力制御」が行われることがあります。
その一方で、夜間や悪天候時には再エネの発電量が低下し、火力発電などで補う必要があります。時間帯ごとの電力消費と脱炭素電源を対応させるためには、蓄電池の活用や電源の組み合わせ、調達コストのバランスが重要になります。
24/7 CFEを企業が説明・開示するには、どの時間帯の電力消費に対して、どの脱炭素電源の環境価値を対応させたのかを確認できる仕組みが必要です。
現在の日本の証書制度では、非化石証書などを活用した年間総量ベースでの再エネ調達が中心です。今後、24/7 CFEを実務で進めるには、時間単位のトラッキングデータやグラニュラー証書(時間粒度を持つ証書/Granular Certificate)のような仕組みが重要になります。
参考:EnergyTag|Granular Certificate Scheme Standard Version 2
業種によって、24/7 CFEへのアプローチの難しさは異なります。
では、具体的にどのようなステップで取り組めばよいのでしょうか。24/7 CFEの実現には、IT、電力調達、そして省エネ技術を組み合わせた段階的思考が必要です。

30分値データを使って、自社がいつ、どこで、どれだけ電力を使っているかを把握します。ここでは「電力使用が集中する時間帯」や「時間帯別の需要特性」を明らかにしていきます。

上記の時間帯ごとの電力消費に、契約している再エネ電源の発電パターンや、時間粒度の情報を持つ利用可能な証書・環境価値の情報を重ねます。既存の証書だけでは時間別の対応関係を示しにくい場合があるため、将来的には前述のグラニュラー証書のような仕組みを活用していくことが重要になります。

24/7 CFEを達成する手段は、証書を買うことだけではありません。以下の3つのアプローチを組み合わせるのが一般的です。

24/7 CFEは、気象予測、電力市場の変動、高度なデータ解析などが絡み合う、極めて専門性の高い分野です。これを一企業の担当者だけで完結させるのは困難です。
信頼できるエネルギーパートナー(アグリゲーターや専門コンサルタント)を味方につけ、
などをパートナーとして伴走してもらいながら構築していくことが、現実的かつ効率的なアプローチとなります。
24/7 CFEは、今のところ今日明日で達成しなければならない「義務」ではありません。しかし、脱炭素経営が高度化していく中で、次世代の脱炭素電力調達の方向性として、国際的に注目が高まっています。
これまでの「量」を競う再エネ導入の時代は終わり、これからは「質」を問う時代が始まります。
「自社が使用している再エネは、いつ発電されたものか?」 「その調達は、日本の電力システムの脱炭素化に貢献しているのか?」
こうした問いに、自分たちの言葉で説明できる準備を始めることが重要です。まずは自社の電力使用データを1時間単位で可視化してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
企業の脱炭素化推進は、エナリスにお任せください
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本記事の作成にあたっては生成AIを支援ツールとして活用し、出力された原案をもとに、エナリスジャーナル編集部が責任をもって編集・加筆を行い制作しています。
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