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マルハニチロ株式会社様
エナリスの電力メニューへの切り替えで、大幅なコストダウンとCO2削減を両立できる見込みです!
エナリスの電力メニューへの切り替えで、大幅なコストダウンとCO2削減を両立できる見込みです!
水産・食品業界など、長年にわたり事業を展開してきたマルハニチロ株式会社さま。同社は海洋環境の変化を事業の現場で実感する中、2050年カーボンニュートラルに向けた脱炭素化を本格化しています。今回は、エナリスの再エネ電力に切り替えた理由やその成果について、生産企画部の岡本和彦さまにお話を伺いました。
弊社は総合食品メーカーとして、水産部門、畜産部門、加工食品、流通部門など、食品に関する幅広い事業を展開しています。主に扱っているのが海産物という特性上、世界各地に拠点があり、取引先もグローバルに存在しています。
昨今、地球温暖化の影響で海水温が上がっていて、さまざまな海域で魚が徐々に北上しています。その結果、従来の漁場で取れていた魚が獲れなくなっており、地球温暖化が海洋環境に与える影響を実感しています。
そこで、私たちも総合食品企業として社会に貢献したいと考え、政府が打ち出した2050年カーボンニュートラルの目標に沿って、2017年度を起点として2030年、2040年、2050年の脱炭素化の目標を立てて進めています。
グローバルな脱炭素の枠組みには積極的に参加しています。
たとえば、CDP(※1)への情報開示と評価取得については、2022年はB評価でしたが、2023・2024年と連続してA-評価をいただいています。CDPの評価は世界的に認められているものですので、今後も良い評価をしっかりと取得していきたいと思っています。
2026年3月1日付でマルハニチロから「Umios株式会社」に社名変更する予定です。ロゴマークは生命の源である海への敬意を込め、水の惑星「地球」をデザインしており、海を起点に、地球規模の社会課題を「食」を通じて解決していくという想いが込められています。
海外の方に社名が伝わりやすくなると思いますので、グローバル企業としての存在感をさらに発揮し、ソリューションカンパニーとしてトップで走っていきたいという意識を持っています。
参照:マルハニチロHP「マルハニチロは、Umiosへ。|社名変更特設サイト」
1 CDP:気候変動対策を評価する国際的な非営利団体。参加を表明した企業などに質問書を送り、その回答に基づき評価を公表する。
グループ全体のCO2排出量を見ると、生産工場に起因する排出が大体6割ぐらいを占めますので、まずは生産工場の省エネ対策から取り組んでいきました。
設備の省エネ化、エネルギー効率の向上、排熱回収などのコジェネレーションなどに取り組んできて、2017年度を起点とした目標には追従できています。ただ、省エネ施策だけでは今後の目標達成に対して手詰まりになってしまうという危機感があり、今回再エネ電力の導入に踏み出した次第です。
私は、本社の勤務になり2年なのですが、それまでは各工場でエネルギー施策を考えてきました。当時は大手電力会社と契約していたので、大手電力会社の再エネプランへの切り替えを検討したこともあります。ただ、その際は通常プランの電力料金よりも割高になってしまうという話だったため、コスト面での影響を考慮し、当時は導入を見送る判断となりました。
今の現場でも同じような声があり、原料費やエネルギー費など全てのコストが上昇している中で、さらに電力単価を上げることは消費者の皆さまに申し訳ないという思いがあります。いかにコストを下げて消費者に受け入れてもらいつつ、環境にも取り組めるかと考えた結果、今回の動きに至りました。
エナリスさんを選ぶ際に、5〜6社ほどの新電力会社とお話をさせていただきました。各社のプランを比較検討した結果、最も私たちの意向に沿う内容だったエナリスさんに決めさせていただきました。
決め手となったのは、単に価格が安いということではなく、長期的にしっかりとサポートしていただけるという信頼です。特に、2022年の世界的なエネルギー危機では、世界情勢の影響により多くの新電力会社が事業から撤退することになりました。そのため、私たちの意識としても、本当に新電力は大丈夫なのかという不安がまずありました。エナリスさんのように困難な状況を乗り越えられた企業であれば、安心して長期間お付き合いできると思っています。
一方、私たちがエナリスさんを信頼していても、各工場の担当者は新電力に対してネガティブな印象を持っていましたので、その不安の解消にもっとも苦労しました。
まず私たちが話をするのは工場のエネルギー関係の担当者です。その担当者が納得しないと先に進まないので、いかに魅力を伝えられるかが最初の課題でした。
最初に伝えたメッセージは「コストダウンにつながる」ということです。コストが上がると、いろいろなところにご迷惑をかけるので、コストダウンは最初の糸口でした。コストダウンを果たした上で、さらにCO2フリーにもなるという点が魅力でしたので、そこを順番に説明しながら納得してもらいました。エナリスさんの信頼性については私自身が確信していましたので、そこは前提としてお話しした上で、コストメリットを前面に伝えることが最も効果的でした。
導入効果について、まだ導入から2か月という短期間のため確定的なことは言えませんが、2024年度の生産量をベースに試算すると、今回エナリスさんに切り替えた5つの工場で年間約1万9,000トン分の電力由来CO2を排出していたのが、エナリスさんの電力導入によりゼロになる予定です。
さらにコスト面においても2024年実績と比べて大幅な削減になると予測しています。つまり脱炭素とコストダウンを両立できる見込みです。
今回の再エネ電力の導入は、まず東北にある3工場でスタートしました。その後、下関工場、宇都宮工場にもお話をしたところ、「東北3工場がやっているなら」ということで、導入に至りました。直営工場が主体となって取り組んでいることで、安心感があったのだと思います。
工場経営者会議というものが年に何回か行われるのですが、その中でこうした取り組みを紹介することで、他の拠点でも徐々に関心が高まっていると思います。
また、エナリスさんからはCO2ゼロの電気を使っていることがわかる電力供給確約書をいただきました。下関工場では玄関に飾っており、来客への効果もありますし、従業員の社内意識向上にもつながっていると思います。
まずは、今回と同じように非化石証書を用いたCO2フリー電力の導入を順次拡大していこうと思っています。さらに、非化石証書だけではなくて、実際に再生可能エネルギーを使って生み出した電力の導入も検討していきたいと思っています。
たとえば、PPA(※2)なども取り入れていきたいです。PPAは、自社で太陽光パネルを設置する場合とは異なり、PPA事業者に設備を管理してもらえるという点にメリットを感じています。専門的な知識や技術が必要なところはプロにお願いするのが1番いいと思っています。
私たちのグループでは北のエリアにある工場が多く、積雪の影響で太陽光発電の効率に課題があります。そうした工場ではオフサイトPPA(※3)を導入することで、一定程度安定して再生可能エネルギーを調達できる可能性があると考えています。
2 PPA:太陽光発電設備などを第三者が設置・管理し、発電した電力を長期契約で購入する仕組み
3 オフサイトPPA:電力ユーザーの敷地外にある再エネ発電設備から既存の送配電網を通じて送電するしくみ
食品業界での脱炭素の取り組みは高まっていると思います。私たちよりもっと先に進んでいる企業さまもいますし、弊社だけではなかなか進められないことも多いですので、食品業界全体で協力し合いながら進めるのが1番早いと思っています。
2026年3月1日付の社名変更に伴い、より世界を視野に入れた企業として、環境価値の創出に取り組んでいきたいと考えています。さまざまな事業のサプライチェーンにおいて主導的な役割を担い、他社との連携も深めながら、持続可能な食料供給体制の構築を目指していきます。
取材 2025年6月
※記載された社名・部署名等の情報は取材当時のものです。閲覧時点には変更されている可能性があることをご了承ください。
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